イーハトーブを求めて・・【宮沢賢治童話村&記念館&山猫軒】
「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」などの童話で有名な宮沢賢治。
私が敬愛する人物の一人です。
今回は岩手県花巻市「宮沢賢治記念館」なのですが、テンション的におふざけモードに入れないため…ちょっといつもの戯れノリではないかもしれません。ご了承下さい。
岩手県花巻市
花巻市は岩手県の中西部に位置する市で、花巻空港は岩手県唯一の空港。
岩手名物「わんこそば」発祥の地と言われており、宮沢賢治生誕の地でもあります。
今回訪れたのはココ。宮沢賢治記念館の他に、宮沢賢治童話村、宮沢賢治イーハトーブ館など・・賢ちゃん盛り合わせエリアになっています。近くにあるコンビニの駐車場にはジョバンニ(銀河鉄道の夜)の像も建っていました。
今回は電車での旅ですので東北本線で花巻駅まで行き、釜石線に乗り換え。新花巻駅で降り、そこからは徒歩で移動します。

おしっ。気温は低いですが快晴です。相変わらずの晴れ男パワーで気持ち良い空。
新花巻駅から20分ほどで宮沢賢治エリアに到着しました。まずは最初に見つけた「宮沢賢治童話村」を覗いてみる事にしましょうっ。

戯れ情報
『宮沢賢治童話村』
開館時間:
8:30~16:30(12/28~1/1は休館)
入場料:
大人350円・大学/高校生250円・小中学生150円
アクセス:
花巻南ICから車で20分。花巻空港からは車で15分。
「天空の広場」を中心に「ふくろうの小径」「山野草園」などの自然施設、「賢治の学校」「賢治の教室」などの学習施設があり。「賢治の教室」では星や植物、石、動物など…童話に関するものが数多く展示されています。
花巻観光協会公式サイト
『宮沢賢治童話村』
冬場の平日ということもあり、とても空いています。これならゆったりと見学できそうです。

あああ・・・・ヤバい・・・。
こちらは「賢治の学校」、建物内に入って一番最初の部屋。ファンタジックホールという空間になります。
この真っ白な部屋にいると世界の汚さや自分の汚さが浮き彫りになるようで、涙が出そうです…。部屋に入るなり涙ぐんでるデカいオッサン。もはや新手の変態と言っても過言ではありません。
そこから宇宙の部屋、虫の部屋、水の部屋、などなど・・・独自のテーマにそった空間を楽しむ事ができます。

ジオラマで表現された各シーンを見ながら、童話を読み進める事もできます。
これは「セロ弾きのゴーシュ」

こちらは「注文の多い料理店」の1シーン。
1つ1つ非常に手の込んだ作品になっていて、細部までじっくり見ていると次に進むのに時間がかかってしまいます。
身もフタもない言い方をしてしまえば、宮沢賢治の世界観は見る人を選びます。場内で出会ったグループの中には「よくわからん・・」といった顔で、軽く眺めながら足早に進む人も複数いました。メルヘンな彼女の付き添いで訪れた彼氏などはつまらなく感じるかもしれません。
とある旅ブログでも、この賢治の学校を「15分ほどで回れる大きさ」と紹介しているのを拝見しましたが・・・・おいおい、あんた旅ブログとか書いておきながら、ちゃんと見てないよね!?
たしかに「めっちゃ広い」という規模ではありませんが、こういった世界観・空気感が好きな方であれば、時間を忘れるほど魅力的な施設です。興味のない方がさらーっと回れば…うーん、やっぱり15分くらいで見終わってしまうかもしれません。
私は宮沢賢治が好きですし、こういった空気がとても好きなので出るまでにすごく時間がかかりました。
その後「賢治の教室」を回ったのですが、こちらも大好物な雰囲気の展示です。賢治の学校以降、写真が1枚も無いというのが夢中になりすぎた証拠です(笑)
やばい、時間がっ・・
当初は「宮沢賢治記念館」のほうが旅のメインのつもりだったのですが、予想外に童話村が魅力的すぎました。このままではココだけで1日が終わってしまいます。名残惜しいですが移動しましょう。あ、その前にお土産売り場で何か買ってから行きましょう。
宮沢賢治記念館は丘の上にあります。徒歩で童話村から移動する場合、長い木造の階段通路を利用できます。

非常に長いです。
階段に宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が彫ってあります。読みながら登りましょう。
宮沢賢治記念館
長い階段を登りきれば到着です。息を整え、さっそく入館しましょう。心躍りすぎて外観の写真は撮り忘れました(汗)
戯れ情報
『宮沢賢治記念館』
開館時間:
8:30~17:00(12/28~1/1は休館)
入場料:
大人350円・大学/高校生250円・小中学生150円
テーマが分かれた5つのエリアになっており、各エリアごとに関連資料やスクリーン映像などが楽しめます。
花巻観光協会公式サイト
『宮沢賢治記念館』
なにやらこちらの記念館は平成27年にリニューアルされたとの事。残念ながらリニューアル前に来た事がないので比較はできませんが・・・各テーマごとの資料の量も膨大、展示も豊富。とても見ごたえがあります。
宮沢賢治に興味のある方でしたら普通に見ても最低1時間は欲しいかと。とにかく宮沢賢治の全てが網羅されており、読み物も多く、じっくりと全ての資料と展示を見学していったら2時間でも足りないくらいです。
私のような宮沢賢治フェチには、もう永遠に滞在できそうな場所ですよ。ここで寝て、起きて、賢治の資料を眺め、ご飯を食べ、また寝たいくらいです。・・・ん?ご飯?そういえば腹が減ってきました。よーし、メシだっ。

帰り際、記念撮影をする場所があったので1枚撮っておきました。腹が減りすぎてヒゲを食おうとしています。
山猫軒
宮沢賢治記念館の駐車場内には、童話・注文の多い料理店にちなんだ「山猫軒」というレストランがあります。
もうその名だけでワクワクしてしまいますな。大丈夫かな?逆に食われたりしないかな?

戯れ情報
『WILD CAT HOUSE 山猫軒』
営業時間:
9:00~17:00(ラストオーダー16:30)
イーハトーブ定食/1550円、山猫すいとんセット/1200円、ほかメニュー多数
花巻産の白金豚(はっきんとん)や、ほろほろ鳥など…地元の食材を使った美味しい料理が楽しめます。
(価格は2017年1月現在のもの)
花巻観光協会公式サイト
『山猫軒』
レストラン入り口や内部には「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」「こゝで髪をきちんとして、それからはきものの泥を落してください」などの注意書きが貼ってあり、注文の多い料理店を読んだことのある方ならニヤリとしてしまう事でしょう。やっぱり逆に食われるかもしれません。

じゃじゃーん。私はイーハトーブ定食を頼んでみました。今回は珍しくカミさん同伴の戯れですので、向かい側のはカミさんの山猫すいとんセットです。
「やはりココに来たのだから、イーハトーブを冠した食事を食べにゃ始まらんよね!」と注文したものの、実は正直なところあまり期待はしていなかったのです…。「山の幸メインだし、精進料理のような満足感の無い食事だろうなー」といった感じで。
ところがどっこい!THE・美味いっ!!なんだこれは!?
たしかにかなり腹が減っていましたし、適度に運動もした後なので・・そういう時はたいてい何食っても美味く感じるものなのですが、コイツはそういう要素抜きにしてもバツグンの美味さです。なんでしょう、個々の食材の味がとても引き立っていると言いますか…。もう「花巻の宝石箱やー」と立ち上がって叫びたいくらいです。叫びませんけどね。
なお彦麻呂はあまり好きじゃないです。
宮沢賢治の旅・あとがき
今回、目的地に宮沢賢治を選んだ理由なのですが・・実は最近、幼少時代から抱えていた精神的な悩みが行き詰まり、生きる事に限界を感じていました。
もともと病みやすい性分ではあるのですが、そこに周囲の環境や様々な問題なども積み重なり…久しぶりに「もうこれ以上は生きられない」という結論に至ってしまい。
そこで不意に心が求めたのが「宮沢賢治」だったのです。
花巻の自然を歩き、彼の写真を見て、彼の言葉を読んで。そうやっているうちに、少しだけ前を向く気持ちが芽生えました。再び宮沢賢治に助けられました。

彼の「雨ニモマケズ」は、私も目標としている生き方です。
これを読みながら、もう少しだけアレコレ頑張ってみよう…と。
サウイフモノニ ワタシモ ナリタイ。