『幽玄洞』で地底湖を見るも・・・
『電車と徒歩で岩手徘徊』、千厩から猊鼻渓まで徒歩でたどり着き、鮎の塩焼きをいただいたり舟下りを堪能したりした後・・・噂の幽玄洞を訪れてみました。
そしてこれがまた、けっこうハードな徘徊になってしまいまして…。
猊鼻渓の記事はコチラ↓
猊鼻渓駅周辺
気分的には二日続けて野宿でも全く問題ないのですが、汗臭くなって周りに迷惑がかかりそうですので…この日はしっかりお宿を予約しておきました。猊鼻渓から歩いて10分、『かぢや別館 らまっころ山猫宿』です。

あらら、ものすごく雰囲気良いじゃないですか。正直、宿は全然期待していなかったので予想外の嬉しさがあります。
いつも『初めて利用する宿は、素泊まりで様子を見る』というやり方なので、こちらも今回は素泊まりでの予約でした。
だってアレじゃないですか。感じ悪い宿でメシなんて食いたくないじゃないですか…。
まだチェックインまで時間が1時間半ほどあるのですが、荷物だけ預かってもらいたかったのでいったん寄ってみました。
あちこち泊まり歩いているとそれはもう気分の悪い対応の宿もあるので、恐る恐る声をかけてみましたが・・・こちらのお宿はとても快く荷物を預かっていただけました。
いやー、感じの良い素敵な女性で良かった。
さて、ここからがちょっと悩みどころです。できれば今日中に幽玄洞まで回る事ができれば、明日以降の予定が少し楽になりますが…。
ここから幽玄洞までは約2km。普通の人の足であれば20~30分くらいといったところでしょうか。
事前に調べたところによると「幽玄洞を楽しむならば最低1時間は欲しい」と書いてあったので、そのぶんも考えると・・・片道15分で移動しなければならない計算になります。
むむむ・・・・いくか!?走るか!?
走れ!幽玄洞へ向かって!!
ここで「別に夕食は無しなんだし、チェックインが少し遅くなると伝えていけば良いじゃない」とか言ってはいけません。それじゃ人生つまんないじゃないですか。
自分の努力でどうにかできる範囲であれば、一度決めた事は変えない…というのが私の信条です。走れば間に合うというのであれば、走れば良いだけの話。
なによりそのほうがバカっぽくて楽しいじゃないですか(笑)
帰りは疲れてペースが落ちるかもしれないので、行きはできるだけ速度を上げていきましょう。いくぞっ!!

たったったった…。現在の気温は何℃なんでしょう…。かなり暑いです。
リュックと三脚は宿に置いてきたので、荷物はカメラ2つ入ったバッグとレンズ、あとは多少のメンテナンス用具程度なのですが…意外にバッグが邪魔で走りづらいです。体重減らしておいて良かった…。

ふぅ…ふぅ…着いた…。
どうにか10分かからずに到着しましたが、止まるとバカみたいに汗が噴き出てきます。暑いの大好きっ子なので、このダラダラ汗が・・・気持ちイイ・・・(笑)
しかしこの状態でそのまま受付をしたら「ハァハァ言ってる汗だくの変態が来た」と思われそうなので、少し息を整えてから入りましょう。ふぅ・・。
岩手県一関市東山町長坂東本町154-1
(一関ICより車で約30分)
営業時間:
4月~9月 8:30~18:00
10月~11月 8:30~17:00
12月~3月 9:00~16:00
入場料
大人:1000円
高校生:800円
中学生:600円
小学生:400円
いざ幽玄洞に突入
受付で入場料を支払い、ちょっと進むと…まずは展示のある部屋に着きました。ほうほう。なんかいろいろ書いてあります。

展示ケースには化石も多数展示されていました。化石好きな男子って多いですよね。
私は幼稚園~小学校低学年くらいまで宮城県岩沼市の新興住宅地に住んでいたのですが…家のすぐ前の造成中の斜面に行くと、それはもうポンポンと化石がが採れまして。
普通にアンモナイト的なものや、三葉虫的なもの、何かの歯のようなものを採って遊んでいました。あまりにも簡単にたくさん手に入るので『化石=そのへんですぐとれる模様のついた石』程度の感覚しかなく、割って遊んだりしていました。
ですので…この歳になっても化石に対して特別な思いを抱けません。もう家の前で採ったりできなくなったのに、いまだに感覚としては「ただの模様のついた石」です(笑)
…という事で、ここはさらーっと流して奥に進みましょう。

いったん外に出て、なにやら昭和の匂いを感じさせるアーチをくぐり…森のほうへ入っていく形になります。
遊園地とかにこんな模様のアーチあったよね。え、知らない?若いなぁ。
それにしても暑い。いったい何℃あるのでしょうか。噂によると『幽玄洞の中はちょっと肌寒いくだい』との事ですので、涼める事を期待しつつ歩を進めます。

歩く事30秒…。周囲の景色にそぐわない自動ドアの先に、異世界への入り口が口を開けていました。薄暗くてちょっと不気味です。
奥からはジトジトひんやりした空気が漂ってきました。ついに突入か・・・なんかちょっとドキドキしますな。。。
巨人には不向きな洞窟内
階段を降りると、もうそこからは幻想的な・・・と言いたいところですが、意外に地味な感じで洞窟が始まります。

入ってすぐ、こんなものが展示されていました。『豊乳』ですか・・うーむ、私は巨乳好きではないので、残念な気分です。『豊尻』だったら撫でまわしたくなるところなのですが・・・。
入り口にあった展示室の写真では、こういった石に直接触っている様子が写っていましたが、透明アクリル板や金網にガードされて触れないようになっていました。
アレですかね。みんな「でっかくなれー・・・でっかくなれー・・」と触りまくるから、保護されるようになっちゃったんですかね。

洞内はこんな感じで進んでいきます。階段の幅も狭く、壁や天井も狭い。しかも濡れているので注意して進む必要があります。
正直・・・かなりキツいっ!
私は身長187cm、肩幅もあるガッシリ体型なのですが、カメラバッグを肩に下げている事もあってすごく歩きづらいです。狭いところは中腰かつ半身で進まないと通れません。。。
鍾乳洞を楽しむ以前に、前に進む事に精一杯で全然景色が入ってきません(笑)

な・・・なにが『見返りの坂』だバカ野郎、見返ってる隙間なんてないわっ。
幸い、平日という事もあって他にお客さんはいないらしく、完全に無音。完全孤立の状態です。
今ここでデカい地震とかあったら嫌だなぁ・・。
東日本大震災の時、ちょうどココに入っていた人っていたんでしょうか。もしいたなら怖かっただろうに・・・。

お?分かれ道です。
ふむふむ、年寄りとビビリは左へ行け…と。…なぬっ、地底湖だと!
クチコミ情報で「地底湖は必見の美しさです」と書いてありました。よーし、右から攻めてみます。
地底・・・湖?

ぬおっ。相変わらず狭い…。
しかし地底湖を見るためだ、頑張るぞっ。
ちょっと高低差のある通路を進んでいくと・・・ありましたっ!

浄魂の泉・・・どれだ?
あ、あのかなり低いところにあるアレでしょうか。うーむ、遠いなー。

どうやらアレが地底湖のようです。
ズームで少々寄って撮っていますので、実際にはもっと遠くに見える感じです。
うーむ・・・地底・・・湖?
ほんのちょっと水が溜まっているだけに見えます。天候や季節によって水量が変わったりするんでしょうか。気分的には『地底湖』ではなく『地底水たまり』です。
これが必見か・・・。そうか・・。
どうやら向いてないようで
地底湖以降も相変わらず狭くて苦しい通路が続きながら、イロイロと名前の付いた岩やらを見ることができます。途中に化石もありました。
しかしホント、ここを絶賛している方にはもうしわけないのですが・・・
思ったよりもつまらないんです・・・。
何をどう楽しんで良いのかわかりません。ただただ狭くてジメジメした通路を進まされているだけの気分です。
もっと自然のままであれば興奮したのかもしれませんが、いちいち石に名前を付けている余計な説明プレートが多すぎて「自然の鍾乳洞」といった気分にもなれません。。。

化石も・・・おそらく好きな人は興奮要素なのでしょうが、どうもこういう「余計な説明書きを加えられた自然」ってのは魅力を感じません。
自然公園などでも、樹木に名前プレートが付けられていたりするじゃないですか。ああいうのもあまり好きじゃないんです。
いいじゃない、いちいち人間が定義しなくても。そのまま、そこにあるだけで感動するのに・・・と思ってしまいます。

といってる矢先にまた説明。どうやらノッチというらしいですよ。
これを読んで「へぇ~!」ってなるのがノーマルな人の感覚なのでしょうが、やっぱり私は興ざめです。うーむ。
まぁ人それぞれ、向き不向きってのがありますしね。私は合わなかった、ってだけでしょう。
それにしても、鍾乳洞ってもっと「青とか紫とかの幻想的な光景」をイメージしていましたが、電球色の明かりだけだとものすごーく地味なんですね。
ちょっと色味でもイジってみますか。

おお、なんか鍾乳洞っぽい!(笑)
この写真以外にも、赤とか紫とか…色を変えて撮影してみたらそれっぽい雰囲気になりました。
「人が手を加える事なく、自然のままが美しい」とか言っておきながら、こんな事やって楽しむってのもちょっとアレですけど(笑)
脱出!

ぷはー、脱出しました。入り口と出口は別モノなんですね。
出たところにある売店では石を使ったアクセサリーや化石などが売られていました。
えーと時間は・・・・30分も経っていない・・・・。
「最低1時間は必要」ってのは、この幽玄洞がかなりツボった方の情報だったようです。これなら頑張って走ってくる必要もありませんでした…(泣)
あとがき

今回訪れた『幽玄洞』、なんかイマイチな感想になってしまいましたが・・・
この場所を素晴らしいと感じる方もいるでしょうし、地底湖に感動する方もいると思います。
価値観は人それぞれ。あくまでも私の感覚、変人の感想です。
こういったものに興味のある方はぜひ一度訪れてみてください。元気な方であれば、猊鼻渓駅から歩いてでも来れる距離だと思います。
さてさて・・・宿へと向かいますか・・・。