『コンデジ』と『〇倍ズーム』

カメラを持って行動していると人から話しかけられることがよくあります。

同じくカメラ持ちの方であったり、単なる興味からであったり、時には警察官であったり(職務質問はお約束)。

私は基本、誰に話しかけられても無愛想な対応でやり過ごすのですが、ごくまれに困る場合も。

「お兄ちゃん、それ何倍ズーム?」

といった質問ですよ。

おそらくコンデジで使われている『望遠〇〇倍ズーム』といった性能表示からの質問で、要するに「どのくらい遠くまで撮れるの?」という事なのでしょうが、〇〇倍ズームというのは『広角端と望遠端の倍率』であって『どのくらい遠くまで見えるか』ではありません。

よくある70-200mmレンズであれば約3倍ズーム、300mm単焦点レンズなどは遠くまで見えても『1倍』です。

何と答えれば良いのやら・・・と思案してみても、そういった方は「いやいやだから、望遠には何倍とかあるでしょ?」と、まるでこちらが素人であるかのように呆れ顔で言ってくる始末。

ええいおのれ、貴様の知らん専門用語でまくし立ててひねりつぶしてやろうか。というかそもそも40を超えた人間に”お兄ちゃん”ってなんだ。おそらく貴様より年上だぞこっちは。

…と余計なストレスを感じたりするものです。

しかし仮に単焦点望遠レンズだったとしても、彼らが納得する『〇〇倍』の答えを出す事が可能だったりするのです。

そういった方が望んでいる『〇〇倍』はコンデジやスマホの基本距離(最大広角端)からどのくらい遠くまで見えるか…ということなので、一般的なコンデジの広角端24mmから計算して『〇〇倍』を出せば彼らが納得する数字に早変わり。
(240mmであれば10倍、500mmであれば20倍)

もし同じ質問で困った経験がある方は『自分のレンズはコンデジ感覚で言えば何倍なのか』を考えておくと、いざという時に困らないでしょう。そんな事で困った経験のある方が何人いるかは知りませんが。

しかしその計算式でいくと一眼のレンズは超望遠600mmでもせいぜい25倍程度。いかにコンデジの望遠特化機がおかしな数字なのかがわかりますな。ニコンのP1000なんて125倍の3000mmですよ。

いったい何に使うのでしょう、3000mmなんて異次元の距離。